春の終わり、夏のはじまり

外に出ると、体温と同じ気温の空気が心地いい。空気はまだ終わらぬ春を感じさせる温度で、ときおり優しく吹く風が少し冷たい。

影から出ると日差しが暑く降り注ぎ、夏のはじまりを予感する。

 

季節が変わる節目だ。季節は自分が何を考えていても、何をしていても関係なく姿を変えていくので好きだ。

 

自分は約10年立ち止まっていたが、その間にも季節は廻り、まるで自分も進んでいるかのように感じていた。実際にはほとんど進めていなかったが、季節に勘違いさせてもらえて感謝している。

 

ようやく私にかけられた鬱という呪縛は溶け、私は季節と足並みを揃えて進めるということに僅かに感動している。

 

そもそも、季節と共に足並みをそろえている人を「普通の人」と言うのだろうが、普通のレベルが高くて私は劣等感を感じていた。疎外感とでもいおうか。

 

十人十色で、進む一歩に差はあろうが私の一歩はその中でも小さくて恥ずかしいと常々思っていた。

 

しかし、365歩のマーチにあるように「一日1歩、三日で3歩、3歩進んで2歩さがる」と昭和43年から歌われているのだ。

 

時代も私も季節も進み、変わっていくように見えて同じことをくり返している。

その中から幸せを見つけるのだ。難しいようで、簡単なことで幸せは見つかる。だって3歩進んだと思ったら2歩さがってるんだよ?さがる行為も1つの経験で発見。酔わないように気を付けようね。