想いを言葉に

東京に来て約半年。

 

Hatena Blogの「思いは言葉に」に惹かれて、感じた事を書き留めたくなり始めました。

 

憧れだった「東京」に来たのは年末の底冷えしそうな寒い日だった。

精神的に弱すぎる私が、一人東京行きを決めた時は周りに心配されたし、どうせすぐ帰ってくると思われていたと思う。

 

そんな周りの気持ちを知っているつもりで、でもやってやるって気持ちだけで、20代後半という年齢で東京にやってきた。

 

薬を飲まないと夜眠れないし、知り合いの声で私を傷付けてくる声が聞こえる時もある。

 

それでもこの年齢で一人、東京にやってきた。もしかしたら、寿命は縮まっているのかもしれない。

 

それでも良い。今飲んでいる薬は、先生に言わせれば生殺しらしい。それぐらいぎりぎりの少ない量。

 

もう少し増やせば楽になると言われるけど、薬を増やせば頭がぼーっとする。人生を半分寝ている世界でなんとなく生きることになる。

楽になるより全力で仕事をして、「生きている」って感じたい。

 

死んだ方が楽になるかもしれない精神状態で、私は苦しみながら「生きている」事を実感したいのだ。

 

そんな私が東京に来たのが真冬の寒い日だったのだが、東京にも春がやって来つつある。

 

私はどこに居ても、生活リズムは変わらないと思っていたし、そうした。

何も変わっていないような私の、寝ている場所だけが変わった。それだけで良かった。東京に居る、それだけで心持ちが変わった。

 

でも、東京に春が来て分かった。

 

故郷の春も、東京の春も、同じだと。

 

何も変わらない。変わらないのは私だけではなく、世界は変わってなかった。良くも悪くも。

 

温かそうな日差しが屋根を優しく照らす光も、庭に咲いている木が風に揺れる様も、春の空気も、三輪車に乗る子供が急いで車輪を回す様子も、

温かくなって緩む人々の心も。

 

何も変わらなかった。

 

東京で故郷を感じる事なんて無いと思っていたのに。

 

嬉しくもあり、悲しくもあった。あんなに憧れた東京が故郷と同じなんだ。

 

心がほっとした瞬間は、少しの虚無感があった。